2011 クラカン質問集

11/20追記(あとで追記あるかも?)

今年末のクラカンに向けて、たたき台になりそうな質問集をつくりました。ベルサポさんの質問を喚起するものになれば幸いです。質問が足りないと感じたら、是非ご自分でベルマーレに質問を送ってください。また、後日ベルマーレから得られた回答は公表できない内容も含まれる可能性があるため、一切載せません。御了承ください。

        • -

まずは、ざっくりと09年からの流れをおさらい。

反町監督就任一年目の09年は、昇格を目標として表明するも、現実的なニュアンスとしては数年後の昇格を目指すものでした。しかし、いざシーズンが始まると予想以上の快進撃が続き、チームの方針も転換。一転1年での昇格を目指す事になります。その結果、途中苦しい時期を迎えつつも、最終的にはギリギリで11年振りのJ1昇格を決めました。

迎えた翌年、久しぶりのJ1の舞台。09年は就任初年度ということもあり、ベースとなる守備戦術はかなりシンプルでした。具体的に言えば、ディフェンディングサード(フィールドを3等分したゾーンのうち、自陣ゴール側のゾーン)ではマークの受け渡しを基本的にせず、マンツーマンで捕まえる、というもの。金銭的な理由もありそれほど多くの選手が加入したわけでもなかったチームは、この基本を踏襲してシーズンを迎えます。

しかし、これが盛大に失敗することに。選手の個々の技術の差が想定した以上で、マンツーマンをつけているにも関わらず局面局面でマークを外され、失点がかさんでいきました。このままでは拙いと判断したチームは、中断期間中にゾーンディフェンスを導入し守備戦術のテコ入れを図ります。ところが、今までマンツーマンを基本としていたチームでは、ゾーンディフェンスを導入することで守備時の判断がより要求されることとなり、責任の所在が曖昧なプレーが表出。結果として責任を逃れるようなプレーさえ出てしまうような状況となり、守備の立て直しは失敗。加えて、09年の疲労が大きかったにも関わらず、選手の意気込みもありオフシーズンにしっかりと休めなかったまま10年のシーズンインを迎えてしまったことなどもあり、怪我人も続出。結果としてシーズン通してメスを入れる手術をした選手は延べ13人と、コンディショニングでも大きく出遅れ、4節を残した時点でJ2降格が決まりました。

以上の流れを受けて、昨年末で打ち出した今季の強化方針は「若い選手の育成&勝利を目指す(1年でJ1復帰を目指す)」というものでした。これは、2005年前後(個人的には2004年の浮氣さん)から強化方針の柱の1つとして存在していた「ピンポイントのベテラン補強」の弊害について考慮したものです。ジャーン、寺川、野澤、臼井、阿部、田原といった即戦力となるような30歳前後の選手を獲得し、所属年数の長い坂本や田村、アジエルといった面々と融合。チーム力を向上させ結果J1昇格を手にしたものの、昇格した時にはすでにJ1でもスタメンの平均年齢はトップクラスで、早晩世代交代は必須といった状況でした。そういった流れの中で、今年は若手を多く保有する編成とし、それ以外にも多くの選手の出入りがありました。

また、戦術的にもこれまでの2年間の反省を踏まえ、改めてディフェンスからチームを作り直し、その上で縦への速い攻撃を意識したサッカーを構築する、というのが目標となりました。(時々「3年間の積み上げ」なんて言葉も見かけますが、今年反町監督自身が「変身」をテーマに掲げやり方を変えると宣言していることからもわかるように、最初の2年間の積み上げはあまりないと考えるのが適切だと思います。)

以下では、今季全体を総括しつつ、クラカンでの質問に集約できるような形でまとめます。質問集がたたき台となって、より色んな質問が出ることを期待しています。とは言いつつ、しょうもない質問して時間つぶされるのは困るんだけど(´・ω・`) てことで、始めます。

【強化・アカデミー関連】

今季の目標設定は適切だったか?

J2降格をいい機会として捉えて世代交代を図ろうとする事は方針として間違っていたとは思いません。しかし今年の京都などを見ていても、若手を育成してチームを強化するにはそれなりに時間がかかるものです。営業上の理由もあるのかもしれませんが、若手を育成しつつJ1昇格を目指す、というのは目標として適切だったのか疑問が残ります。反町監督の退任報道に際して社長が5年10年とやってほしい、というようなコメントをしたという記事もありましたが、それならばもう少し腰を据えた目標設定でも良かったのではないでしょうか。

設定した目標に対して十分な選手の編成は出来ていたか?

ユース出身の若手や大卒ルーキー前後の選手を自前で育てるというのは既に触れた事ですが、一方でベテランについては坂本、臼井、アジエルといった在籍年数がそれなりにある選手たちがチームを引っ張る、というのが編成時に想定していたことでした。また、ちょうど中間にあたる世代に関しては、完全移籍やレンタル移籍などで獲得し戦力とする、という方針だったと思います。そして、この方針自体は悪くないと感じています。

今季を振り返ってみると、複数の若手選手が多くの出場機会を得て、プレーの内容でも大きく成長しました。しかし、一方でシーズンを通して勝負弱さやゲームコントロールの稚拙さといったものが目に付く部分もあり、ベテランがチームを引っ張るという意味では物足りないシーズンだったと感じています。また、補強した中間世代についても、結果的に主力となり得たのは大井くらいで、巻や平木、石神といった面々は期待されたような結果は出せていません。(巻は怪我の影響もありますが)また、佐々木やソンハンキなどの選手もチームの主力とは成り得ていません。ある程度即戦力として期待された選手がそうなっていないという結果からして、選手の編成の仕方に何か問題があったのではないでしょうか?

シーズン途中でフィジカルコーチの交代と選手の獲得があったが、その意図は?

昨年のコンディショニングの失敗を受けて、カルロスフィジカルコーチが退任、代わってエスパルスから杉本龍勇・宇野陽両コーチが就任しました。事前の説明ではこの二人には走力の強化を期待しているという話だったと思うのですが、結果的に走力の強化は出来たのでしょうか?加えて、今季は一部の選手に代表されるように怪我してから復帰するまでもかなりの時間を要している、一度復帰してもすぐにまた怪我をしてしまう、といった印象があります。適切なコンディショニング・リハビリは出来ていたのでしょうか?また、シーズン途中で両コーチを解任し、現在はエルシオコーチが就任していますが、その経緯については未だ説明がありません。どのような意図があってフィジカルコーチを交代したのでしょうか?

また、今シーズン途中に、しばらく練習生として参加していたファンスンミンを獲得しましたが、残した結果を見ても適切な補強だったとは思えません。数ヶ月練習参加していた選手なだけにどうなりそうかある程度想像がつきそうにも思うのですが、どのような意図で契約したのでしょうか?

今季は目標を達成出来なかったが、その原因は何であると考えているか?

昨シーズンは監督・強化部長とも辞表を提出したものの社長の慰留もあって続投したという経緯がありました。その為、フィジカルコーチ以外の主要なスタッフ陣は残り、選手が多数入れ替わる事がある種の"けじめ"となっている部分もあったと感じています。今季は既に反町監督が退任の意向を表明し、それを慰留するなど動きが見えてきていますが、クラブとしては今季の成績の主たる原因はどこにあると考えているのでしょうか?

今季の反省を受けて、来季に向けてどのように動いているのか?

一つ前の質問と関連しますが、今季の反省を踏まえ、来季はどのような編成を考えているのでしょうか?

ポジションによっては来季加入内定を含め編成に極端な偏りが見られるがその意図は?

来季新卒で加入する選手のポジションを見ると、岩上・亀川・三原といった面々がサイドバックであり、編成に極端な偏りが見られます。古林や島村などレンタル中の選手も含めると明らかにサイドバックの選手が飽和しているように感じるのですが、どのような意図で編成しているのでしょうか?

ジュニアチームについて

昨年でベルマーレのジュニアチームが廃止となり、代わりにその年代の活動拡大、スーパークラスの拡充などが発表されました。個人的には、ジュニアチームを持つことと地域のサッカークラブとの関係性における功罪については判断が難しいと考えています。ジュニアチームが地域のサッカークラブの目標となる事がある一方で、有望な選手が地域のサッカークラブから抜けることで、そのクラブのサッカーが大きく変わってしまいその他の子供たちのサッカー人生が崩れてしまう事や、そのクラブとの関係性が悪くなるといった可能性があることも否定できません。実際、ユースが一定の結果を残しているFC東京もジュニアチームは保有しておらず、その理由は地域のサッカークラブとの関係性にあると聞いたことがあります。様々な側面から考えても、一概にどちらが正しい、という結論は出しにくい状況だと思います。

現状一つ気になるのは、クラブライセンスの審査項目に「U-18、U-15、U-12の各年代で大会に出場できるレベルのチームを持つ」ことがあるという報道です。もしクラブライセンス取得にジュニアチームが必須となった場合、昨年のジュニア廃止は意味があまり無かったことになります。その点について、説明があるといいと思います。

【経営・営業関連】

今季の集客営業の実績と効果は?

今季の平均入場者数はおよそ7000人前後となりそうで、09年より少し少ない数字となっています。僕個人の概算では、去年のクラカンで聞いたチケット収入の目標に到達していないのではないかと思うのですが、この数字は目標と比較して良かったのか、あるいは悪かったのか?また、良かったにせよ悪かったにせよ、その理由は何であると考えているのでしょうか?

加えて、今季のチケット価格は高いという悪い評判が、ホーム・アウェイのサポーターを問わず聞かれました。来季のチケット価格も同様に設定するようですが、このような評判を知っていて設定したのでしょうか。また、そのように設定した理由はどこにあるのでしょうか?試算上にせよ、客単価×入場者数を最大化出来るチケット価格となっているのかが気になります。

胸スポンサーを始めとするスポンサーの交渉はどうなっているのか?

今季は結局胸スポンサーがつかないままシーズンが終わろうとしています。きちんとした統計を取ったわけではありませんが、一昔前にJ2に加入した幾つかのチームがクラブとしての体力をつけつつあり、ベルマーレの財政規模が維持できていたとしても、相対的に貧乏になっていることになります。(そもそも貧乏という概念は相対的でしかありませんが…)現場もそうでしょうが、営業部等フロントも維持するだけでは苦しくなるだけです。

事あるごとに社長が胸スポンサーに関するこだわりを見せているのは知っていますが、結果が出ないのであればそのようなこだわりも足枷にしかなっていないとも言えます。あまり開示できない情報が多いのも理解しますが、現状でのスポンサー獲得に向けての反省、および来季に向けての展望を示して欲しいと思います。

クラブライセンス取得に向けての経営状態について

クラブライセンス取得の条件として、「12年度から債務超過・3年連続赤字のクラブには原則ライセンスが下りない」という報道がなされています。現在ベルマーレは2010年度まで3年連続の赤字で、今年も胸スポンサーが獲得できていないことなどから赤字となるのではないかと予想しています。また、2010年度決算時のベルマーレの純資産は4700万であり、これ以上の赤字が出た場合には債務超過にも陥ります。このような状況で、来季以降の経営についてどのような方針を取ろうと考えているのでしょうか?

ネーミングライツの収入に基づいたスタジアム改修によるホームゲーム開催への影響は?

現在平塚競技場ネーミングライツスポンサーを募集しており、1件の応募があったと報道されています。ネーミングライツによる収入は平塚競技場の改修に使われるとの話しですが、具体的にどのような改修が行われる見通しなのか把握しているのでしょうか?また、把握している場合、改修がホームゲームの運営に影響する(工事で一部座席が使えないなど)といった事はありえるのでしょうか?

【試合運営関連】

ベルマーレビールなど、メインゲート内のみに販売所を設置する意味は?

今季もサンクトガーレンさんのベルマーレビールがホームゲーム開催時に販売されていること自体は歓迎すべきことですが、メインスタンド内でしか売店がない事がしばしばありました。買う人の手間などを常識的に考えて、ビールがフードパークと併設して売られていないのは明らかに販売戦略上のミスに思われます。何かそうせざるを得ない理由があったのでしょうか?