『湘南スタイル』って何だろう?〜湘南ベルマーレアドベントカレンダー2016 25日目〜
どうも、たけです。
天皇杯、大宮戦。とにかく勝てなかったことが悔しいですね。来年はJ1昇格はもちろんのこと、天皇杯でも今年以上に躍進できるようチームを皆でサポートしていきましょう。
さて、アドベントカレンダー最終日の今日は「『湘南スタイル』って何だろう?」という記事です。湘南サポーターであれば、『湘南スタイル』という言葉は当然耳にしているでしょうし、その言葉の持つ意味するイメージは誰しも何かしらあるでしょう。ただ、往々にして、こういった抽象的な概念は言葉にすることが難しいのも事実です。
今日の記事では、この難しい言語化に、レヴィさんがチャンレジしてくださいました。皆さんもこの記事をきっかけに、ぜひ自分自身の思う『湘南スタイル』を考えてみてください。
最後に、ここまで連日記事を投稿していただいた皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで今年も無事アドベントカレンダーを開催することが出来ました。特に記事投稿のトラブルもなかったのも、皆さんのご協力のおかげです。重ねてお礼申し上げます。
また、連日の記事を読んでいただいた皆様もありがとうございました。誰かの記事が他の誰かの心に引っかかって、それがよりクラブを成長させるきっかけになればと思っています。
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実は、今年のアドベントカレンダーで参加者を募集していた時、もし参加者が集まらない or『湘南スタイル』をネタにした記事がない 状況なら、自分でそのネタで記事を書こうかなと思っていました。幸い、レヴィさんの記事と内容が異なる*1ので、少しだけ以下に個人的に考えていたことを記しておきます。
そもそも『湘南スタイル』という言葉が初めて使われたのは、2012シーズンの新体制発表会見でのチョウさんの発言。その時の発言は以下の通り。
毎日競争して良い空気を作って、誰が出ても本当にその1試合1試合のエネルギーは最後まで落ちないと、そういうチームにしていきたいと思います。
また違う意味では「GET」という3文字ですが、GはGrowth、Growthというのは成長することなんですけれども、自分自身もそうですし、選手にもサッカー選手としても人間としても成長してもらいたい、その想いでGrowth。EはEnergy。Energyというのは、読んで字のごとくやっぱりエネルギッシュにピッチで躍動してほしいということ。自分の判断を大事にしてほしい。あとはTは本当に月並みですけども、Togetherっていう言葉を入れて、我々スタッフと選手、選手同士、それからクラブとスタッフ・選手が本当にひとつの目標に向かって皆の力で、例えば得点を取った時も本当に皆の力で取れたと思うようなチームにしたいし、勝つ時も皆の力で勝てたというチームにしたい。
そう言っても、理想論じゃないかと思われる方もたくさんいらっしゃると思いますが、ただ私は基本的にここにいる選手たちを信頼していますし、本当に良い選手達が集まったと思ってます。それは結果として今年皆さんにお見せするしかないと思っていますし、シーズンが終わった後に、やっぱり湘南スタイルで、湘南は湘南スタイルを最後まで貫いたよね、と。それでこういう結果が生まれたよねという評価をいただけるように、サッカーという仕事を重く扱い、本当に謙虚に、自分自身も、それから選手にも要求していきたいと思ってます。
(出来ればリンク先で監督のコメント全文を読んでいただきたいのですが、)近年ピッチ上で繰り広げられるサッカーそのものを指して『湘南スタイル』という言葉が用いられがちな一方、初めてその言葉を使ったチョウさんの意図するところは、前後の文脈を踏まえると、実はサッカーに向き合う姿勢のようなものを指しているように受け取ることが出来ます。
確かに、サッカーに向き合う姿勢は、ピッチ上で表現されるサッカーとも密接に関係するという意味において、サッカーそのものを『湘南スタイル』と表現することも間違いではないのでしょう。
ただし、ピッチの上で表現されるものは、選手が変われば間違いなく変わります。よく「誰が出ても同じことが出来るサッカー』なんて言葉も使われますが、もし本当にそうであるならば、選手の個性が活かされる場面は皆無という意味になります。少なくとも、湘南はそんなサッカーは目指していないと思います。
では、選手が変わってもそこに生き続けるもの、宿りつづけるものとはなんなのか。思うにそれは、『社風』や『校風』といった言葉で表現されるようなものと同じなのではないかと考えています。「あの会社は伝統的にxxxな傾向がある」「あの学校の先生や生徒はこういう雰囲気の人が多い」こんな言葉はいくらでも聞いたことがあるでしょう。
でもよく考えて欲しい。会社も学校も、決して同じ人がずっと居続けているわけではありません。特に中学・高校の生徒なんか、一人一人はわずか3年間しかその学校に所属していなかったりするはずです。それなのになぜか、その学校の校風に染まったりする。
その原因となるのは、物事に対する価値判断であったり、あるいは手続き的な習慣だと考えています。例えば、奇抜なアイデアを出す人がいたときに、それをいち早く取り入れて事業にしてしまうのか。あるいは、社内で議論に議論を重ねて、慎重に物事を進めていくのか。そういったやり取りを日常的に経ることで、人はその会社・学校の『スタイル』に染まっていきます。
言い換えれば、『スタイル』を形成するものは、その集団に属する人達がなにを大事にしているかと同義であるはずです。であれば、『湘南スタイル』もまた、湘南に関わる人達がなにを大事にしているかによって形成されていくはずです。
湘南に関わる人達というのは、なにも強化部の人であるとか、フロントスタッフであるとか、それだけではないのです。サポーターもまたクラブを構成する人達の一部であると考えるのならば、われわれサポーターが何を大事に思うか、ということも『湘南スタイル』を形成する要因になりうるはずです。
昨年、今年とアドベントカレンダーを企画して、様々な方に様々な記事を書いていただきました。そのひとつひとつを読むと、湘南サポーターが大事にしていたり、心を動かされたりするものが見えてきます。
そういった思いを、大事にして欲しいです。そして、何らかの形で表現して欲しいです。そうやって表現していくことこその積み重ねが、『湘南スタイル』を形成していくはずだから。
自分の感情や考えを見つめ直すというのは疲れる作業でもあります。なかなか言葉にならないかもしれません。でも、何かをきっかけに考えてもらえれば。そして、なんらかの形で表現してもらえれば。アドベントカレンダーという企画も、そのきっかけの一つにしてもらえればと思っています。
*1:この記事を書く直前まで内容は知りませんでした